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原価計算 諸藤裕美
第10章 標準原価計算

10-5  工程別総合原価計算

仕損・減損が不可避的に発生する生産形態においては、通常発生すると考えられる仕損・減損を織り込んで原価標準を設定するのが原価管理上望ましい。仕損・減損を織り込んだ原価標準の設定方法には、(1)標準原価カード上で正常仕損(減損)費を明示した原価標準を設定する方法と(2)標準原価カード上で正常仕損(減損)費を明示せず、これを負担した原価標準を設定する方法の2つがある。前者は、正常仕損(減損)費負担前の完成品原価算出後に、正常仕損(減損)費を加える方法で、第7章の実際総合原価計算の非度外視法と同様の計算プロセスにあたる。後者は、最初から正常仕損(減損)分を含めた金額を標準原価カードに記載する方法で、実際総合原価計算の度外視法と同様の計算プロセスにあたる。前者の方が、仕損・減損がどれだけ生じるかを明確に認識できるので望ましいと考えられる。

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