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原価計算 李 健泳
第13章 戦略的原価計算

13-4  非反復的意思決定

非反復的意思決定は、業務的意思決定と構造的意思決定に分けられ、いずれも差額原価収益分析により代替案が評価される。なお、業務的意思決定は短期的な問題に関する意思決定であるために、期間損益計算の発生主義会計にもとづいて分析される。他方、構造的意思決定は長期的な問題に関する意思決定であるために、意思決定が及ぼす全期間を分析対象にする資本予算(capital budgeting;経済性分析モデル)によって分析される。

(1)差額原価収益分析

「代替案の中から選択する」という意思決定を行うためには、事前に代替案を比較し評価しなければならない。すなわち、意思決定に影響をおよぼす原価(関連原価)と収益(関連収益)を把握して、それにもとづく代替案の比較が行われる必要がある。これを「差額原価収益分析(differential cost and revenue analysis)」という。差額原価(収益)分析はつぎの手順を踏む。

  • 代替案と関連のあるすべての原価データを集める。
  • すでに発生していて、行われる意思決定と関係のない回避不能な原価(埋没原価: Sunk Costs)を原価の中から取り除く。
  • 代替案の間で差が見られない原価を取り除く。
  • 残りの原価(関連原価: relevant costs)にもとづいて代替案を比較する。

(2)差額原価収益分析のテンプレート

(1) 特別注文の諾否    
 特別注文の差額収益 ××××
 特別注文の差額原価
  変動製造原価
  その他の変動費
  差額固定費

××××
××××
××××  



××××
 特別注文の差額利益 ××××
(2) 内製と外注の選択    
  外注する場合の関連原価   ××××
  内製する場合の関連原価  
  製造直接費
  製造間接費

××××
××××


××××
 差額原価 ××××
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