図に示すように、過マンガン酸カリウムの吸収スペクトルは525nmと545nmに最も大きい吸収(吸収極大)を持ちますが、これらの波長域の光は緑色で、白色光がこの溶液を通るとき、緑色の光を吸収してしまうために、過マンガン酸カリウム溶液は透過後の残りの色(補色)である紫色として眼に見えるわけです。
吸光光度分析は、このように呈色溶液が吸収極大付近の波長において、光源からの光を吸収する度合いを測定して濃度を求める方法で、過マンガン酸カリウム溶液の場合には緑色の光が吸収される度合い(=溶液の紫色の濃さの度合い)を測定することになります。定量成分は必ずしもいつも呈色しているとは限りませんから、試薬(発色試薬)との反応(発色反応)によって呈色化合物に変えて行うのが通常です。