それでは、1,10−フェナントロリンで発色させた二価の鉄イオンを用いて、実際に測定操作を行って見ましょう。ガラスセルの一個に溶媒としての水を入れ、ほかの三個のセルにはそれぞれ濃度の異なる鉄イオンを含む標準溶液を満たします。(下写真)
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試料をセルに入れる |
紫外部の吸収を測定する時には石英セルを用いなければなりません。(下写真)セルを取り扱う時には、セルの光路面に指が触れないようにすりガラス面を注意して持ち、外側を溶液などで汚さないようにします。
汚れたセルを用いると、測定値に大きな誤差を生じます。はじめに溶液で2〜3回共洗いしてください。(下写真) その後、セルの上端より1cmまで溶液を入れます。そして、外側についた水滴は、やわらかいガーゼか、ティッシュペーパーなどで静かに拭き取り、セルホルダーにセルを収めます。(下写真)
つぎに、波長ダイヤルを合わせます。吸光光度での測定には、感度、選択性、および精度の点から極大吸収波長を用います。そして、水を対照液として、光度計の0合わせ、100合わせを行った後に、各試料セルについての吸光度を測定します。
それぞれの測定値から目的成分を含まない溶液の示す吸光度であるブランク値を差し引き、検量線を描きます。未知試料についても同じ操作で吸光度を測定し、検量線からその濃度を求めます。(下写真)