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環境計測のための機器分析法 茶山健二
3章 蛍光分析 物質を光らせる
3-9  りん光分析
 りん光を利用する分析法をりん光分析(phosphorimetry)といい,りん光の寿命,りん光収率,励起・発光の極大波長が特徴的なので,芳香族化合物の極微量分析や混合物の同定に利用されます。しかし,エチルエーテル,イソペンタン,エチルアルコールの5:5:2混合溶液(EPA)などを溶媒に用い,液体窒素温度(77K)で測定しなければならないので,あまり利用されません。なお,ろ紙,アルミナなどの薄層上に試料溶液を滴下し,乾燥固定した後,NaIなど重原子を含む化合物を添加して測定すると,りん光強度が増加し,あるいは常温で感度よく測定することができます。多環芳香族化合物をTl+,Ag+またはPb2+の添加により分析した例があります。
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