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環境計測のための機器分析法 茶山健二
4章 原子吸光分析法 ヒントは太陽にあった
4-5  装置の構成
 原子吸光分析装置(右写真)は、光源部、試料原子化部、分光部及び測光部から構成されており、単光束型と複光束型とがあります。市販装置では単光束型のものが多いようです。フレームを用いた装置の構成(図4・3)を示しますが、その上には、同じ原理で生成するフラウンホーファー線(暗線)が生ずる仕組みを対比して示しています。
原子吸光分析装置
図4・3 原子吸光分析装置の構成とフランフォーファー線
光源−中空陰極ランプ
 原子吸光分析においては、連続スペクトルを分光したものを用いてはスペクトル透過幅が原子吸光スペクトルの幅よりも大きくなってしまうので分析に用いることが出来ません。そこで、光源として吸収スペクトルの線幅よりも狭い共鳴線(基底状態にある原子がある振動数の光を吸収した後再び同じ振動数の光を出す場合、その遷移を共鳴線といいます。)を放射する中空陰極ランプ(下写真)を用います。
 図4・4に中空陰極ランプの一例を示します。中空陰極ランプには、陽極、中空陰極及び低圧の不活性ガス(NeまたはArガス)が封じ込まれており、陰極は分析対象の単一元素或いはその元素を含む合金で作られています。ここで、電極間に300〜800Vの電圧をかけると放電が起こり、生じた希ガスイオンが陰極を叩いて、金属原子が陰極から遊離します。これが更に希ガスイオンと衝突し励起原子が生成します。この励起原子が基底状態に戻る際に、金属原子に固有の発光スペクトルを生じるので、これを光源として用いるのです。
図4・4 中空陰極ランプ
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