化学干渉
イオン化干渉は、高温フレームやイオン化エネルギーの低い元素の場合に起こりやすく、イオン化により感度が低下します。これを防ぐには低温フレームを用いたり、よりイオン化しやすい元素を多量に共存させて抑制することができます。たとえばカルシウムやストロンチウムの定量の場合、カリウムの添加が効果的です。また、フレーム中で燃焼生成物と測定元素の間の化合物生成や、共存成分と測定元素との間に難解離性化合物が生成する場合には、遊離原子の割合が減少します。後者の場合には、妨害となる共存成分を分離することが最も良い方法ですが、妨害成分をさらに加えて影響を一定にしたり、標準添加法によって、定量する事が行われています。また、マグネシウム定量の際のアルミニウムやケイ素の妨害にはストロンチウムの添加、カルシウム定量の際のリン酸イオンの妨害には、ストロンチウム、ランタン、EDTAの添加などが効果的です。フッ素イオンはジルコニウム、チタン、タンタルなどの測定に増感効果を示します。