(1) 落差法
落差法はキャピラリー先端を試料溶液に浸し,試料溶液の液面をキャピラリーのもう一端が浸されているリザーバーの液面より高くすることにより注入する方法です。落差法によって注入される試料量
は次式で表されます。
(6・20)
ここで
は試料溶液の密度,
は重力加速度であり,
は試料溶液の粘度,
はキャピラリー内部の半径,
はキャピラリーの全長です。条件が一定であれば,試料溶液と検出側の泳動溶液の液面の高さの差
と注入時間
を一定に保つことで精度のよい注入が可能です。手動での落差法では精度のよい注入は困難であり,定量分析においては内標準物質が必要となりますが,現在の市販の装置においては液面の高さや注入時間がコンピューターにより制御されており,精度のよい注入が可能です。