初期のカラム液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatogra-phy, HPLC)では、固定相を充てんしたカラム中の移動相(液体)の流れは重力によっていました。そのため、試料成分のカラム通過時間が非常に長くなり、成分帯の拡散のために分離が悪くなることがしばしばありました。したがって、長い間あまり広く用いられることがありませんでした。しかし、送液ポンプを使って移動相を高速で流すHPLCが出現し、充てん剤や検出器の開発とあいまって、初期のものとは比較にならないほど迅速で高分離能な分析が可能となりました。
さて、GCでは熱的に安定な揮発性物質でなければ直接分析の対象とはならないのに対し、液体クロマトグラフィー(LC)では適当な溶媒に溶ける物質であれば分析対象となり得るため、GCに比べてはるかに適用範囲が広いといえます。