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modern asian economy
4-5. アジアにとって「早すぎた金融・資本の自由化」だったのか?それは何に対して早すぎたのか?
担当:甲南大学 高龍秀<コ・ヨンス>


アジア諸国の金融・資本取引の自由化は、「早すぎた自由化」「リスク管理なき自由化」とも指摘されています。
アジアの銀行や企業が、無計画にドルを過剰に借入れた事例や、アジアの銀行が海外法人でリスク管理なく外貨を調達し、資金運用した事例などが見られました。

多くの途上国が競って金融・資本市場の自由化・開放化を進めました。
⇒国際金融市場に統合。グローバル・マネーの激動に大きく影響を受けるようになります。
⇒先進国も有利な融資先として競ってアジアに融資・証券投資を拡大しました。

しかし、いくつかの意味で、「早すぎた金融・資本の自由化」でした。
(1) 金融機関自身が、先進的な金融技術習得・リスク管理能力・健全性規律(BIS自己資本比率)を整備する以前に自由化が急がれました。
(2)監督当局が、複雑で国際化する金融取引を効果的に監督する、監督能力を向上させることができないうちに、自由化が進みすぎました。
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