modern asian economy
5-1. IMF支援の供与形態
担当:甲南大学 高龍秀<コ・ヨンス>
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IMFは危機に陥ったアジア諸国に救済融資を行いました。
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1997年8月タイに172億ドルの融資 ⇒すべてをIMFが融資したのではない。
(IMF40億ドル、世界銀行、アジア開発銀行など30億ドル、日本40億ドル、オーストラリアやアジア各国50億ドルなど) |
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1997年10月IMFはインドネシアに392億ドルの融資パッケージ。
(IMF100億ドル、日本50億ドル、世界銀行、アジア各国など) |
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1997年12月IMFは韓国に580億ドルの融資パッケージ。
(IMF210億ドル、世界銀行100億ドル、日本100億ドル、米国50億ドル、アジア開発銀行40億ドル、先進国など) |
■IMFの巨額の融資パッケージは、一括供与されたのではありません。
段階的なスケジュールに沿って供与されました。⇒<表2>
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<表2>のように、IMFの韓国への融資は97年12月から2000年まで9次に分けられて、スケジュールに沿って分割供与される計画です。
⇒IMFは融資する際に厳しい条件として、自らが立案した経済政策の実行を求めます。=コンディショナリティ |
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IMFは、3ヶ月に1度、このコンディショナリティが実行されているかをチェックします。 |
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実行されていれば、スケジュールに基づいた次回融資を供与します。 |
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実行されていなければ、次回融資は凍結されます。
(インドネシアでは実際に、コンディショナリティを順守しなかったという理由で、スハルト政権の末期である1998年1月に融資が一時凍結されました)。 |
<表2>IMFを中心とした韓国への融資パッケージ (単位:億ドル) |
融資パッケージ内訳 |
IMF資金供与スケジュール |
(当初案) |
(97.12.24変更) |
IMF |
210 |
97.12.4 |
55 |
55 |
世界銀行 |
100 |
97.12.18〜23 |
35 |
35 |
アジア開発銀行 |
40 |
97.12.30 |
- |
20 |
日本 |
100 |
98.1.8 |
20 |
20 |
米国 |
50 |
98.2.15 |
35 |
20 |
英,独,仏,加,豪計 |
50 |
98.5.15 |
23 |
18 |
合計(12.3段階) |
550 |
以降98年中 |
22 |
22 |
(12.24まで) |
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1999年 |
10 |
10 |
G7などの追加 |
20 |
2000年 |
10 |
10 |
総額 |
570 |
合計 |
210 |
210 |
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(出所)高龍秀『韓国の経済システム』東洋経済新報社 |