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modern asian economy
5-3. IMFはなぜ高金利・緊縮財政を求めたのか?
担当:甲南大学 高龍秀<コ・ヨンス>


■IMFは、1980年代のラテン・アメリカの債務危機国に対する処方箋として、高金利・緊縮財政を求めました。
・80年代の南米は、「経常収支危機」であり、放漫財政による財政赤字、過剰投資による経常収支赤字が問題でした
・その処方箋として、高金利・緊縮財政を求めたわけです。

■IMFは97年のアジア危機にも同様の発想で、高金利・緊縮財政を求めました。
(1)IMFは、アジアの経常収支赤字は、過熱する経済に問題があるとして、それを引き締めるため、高金利を求めました。
(2)すでに通貨が急落していたため、輸入物価が上昇し、インフレの危機がありました。
このインフレを防ぐため、高金利を求めました。
(3)外貨が大規模に流出する状況であったため、アジア危機諸国の金利を上昇させる事で、外資流出を食い止め、外資の流入を狙いました。

(国際金融では、他の条件が一定なら、高金利の国に向かって資本移動が起こります)
・IMFがこのように高金利・財政緊縮を求めた発想は、「経常収支危機」を解決しようというものであり、97年の「資本収支危機」という側面をよく理解していなかったと指摘されます。
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