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quantum mechanics
2-2. 波束
量子力学 - 太田 雅久

 古典力学の運動方程式といえばニュートンの運動方程式を思い出すでしょう。これは物体の位置と運動量の時間変化を記述した方程式です。

 量子力学ではシュレーディンガー方程式が有名です。これは、ある種の波動方程式です。物体の状態を時間と空間の中での確率振幅(波動関数)として表わし、確率振幅の時空間での変化を記述したのがシュレーディンガー方程式です。

 量子力学の形式的な話に到るまでは、私達は主に波(波動関数)を扱います。従って、ここで波に関する基本的な操作を練習し、不確定性関係の理解につなげてゆきます。

 まず、色々な波長の波を重ね合わせて、ある場所に局在する波、つまり、波束を作ることを考えましょう。

波に関する基本的な知識 →

 単純な波数式を重ね合わせてみるとどうなるかを調べてみましょう。波長数式の異なる波を同じ重みで重ね合わせてみます。教科書では重みをg(k)として、g(k)k0まわりにガウス分布している場合を考えています。ここでは単純に次の様な分布にします。

矩形をした分布
矩形をした分布

 重ね合わせの結果、生じる波形f(x)は、
数式

 色々な種類の波を重ね合わせるということはLを大きくしていくことに対応します。 を少しずつ大きくしてみて、f(x)がどのような波形になってゆくかを確かめて下さい。


f(x)の波形の確認 →

f(x)x=0で山を持ち、|x|が大きくなると下がっていって、最初にx軸を横切るのは|x|=π/Lのときです。

 従って、f(x)のピークの幅はおよそ2π/Lの半分のπ/Lと考えてもよいでしょう。 一方、k−空間での重ね合わせの重み関数の幅は明らかにf(x)です。 x−空間の幅Δxk−空間の幅Δkの積を考えてみましょう。

ΔxΔk=2π

x−空間、k−空間の関数の形によらないで、両空間の関数の幅の積は一定の値になります。

 フーリエ変換の関係にあるx−空間とk−空間の関数f(x)g(k)の幅の積は一定値であるという関係があります。 これは数学的な関係ですが、位置と運動量の不確定性関係に結びついていきます。


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