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quantum mechanics
2-4. 位置と運動量の不確定性関係
量子力学 - 太田 雅久

フーリエ解析で
ΔxΔk=2π

であることは以前に示しました。

 もし、p=hkの関係式を用いると、Δp=hΔkとなり ΔxΔp〜h
が得られます。

 この関係式の物理的な意味はx-(1/2)Δxとはx+(1/2)Δxの領域にある粒子は、p-(1/2)Δxp+(1/2)Δxの間にある運動量を持つ波を重ね合わせることによって表現できるということになります。

 電子の位置を測定するハイゼンベルグの顕微鏡については次のように考えるといいでしょう。 図はx軸上に静止している電子に軸方向に波長λの光をあて、反射した光を上方の直径dのレンズで観測する様子を示しています。

ハイゼンベルグの顕微鏡
ハイゼンベルグの顕微鏡

 電子に衝突した光はレンズに入ります。このとき運動量の不確定性Δpは、ベクトル図に示されているように、

数式

となります。

 電子に反射された光は、レンズを通って回折して観測されます。回折による不確定性は、直径dの円形のスリットによってできる回折像の大きさに対応します。

回折像の大きさ →
その大きさは
数式

よってΔx〜2yλ/d
従って、ΔxΔp〜hとなります。

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