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quantum mechanics
4-7. 展開仮定とその物理的意味
量子力学 - 太田 雅久
深い井戸型ポテンシャルに束縛された粒子の固有関数の組数式で、同じ境界条件(Ψ(0)=0,Ψ(a)=0)を満たす任意の関数を展開することが出来ます。これはフーリエ級数展開と同じです。
数式

係数数式の求め方は、上式の両辺に左から数式と掛けて、定義区間である0≦x≦aで積分します。このとき、直行関係式を用います。

数式

右辺はクロネッカーのデルタといいます。mnの値が等しいときに1を与えます。その他は0です。従って

数式

この関係式を用いると、

数式

ここで数式は積分記号の左に出してもよろしい。また数式は変数xに関係しませんから積分の外に出します。

数式

nは1から2、3、・・・と変わってゆきますが、n=mになったとき、数式は1となりますので、その時だけ値が残ります。

数式

従って、

数式

通常、mの代わりにnを使って

数式

と書きかえます。nの記号が一般的に使われるというだけの理由です。

係数数式の物理的意味は、もし、任意の状態Ψ(x)でエネルギーαの期待値を求めると、数式の確率でエネルギー期待値数式が出現するということになります。

数式

ここで数式と係数数式を積分の外に出し、

数式

という固有値方程式を用いて、演算子Hを固有値にかえます。演算子Hは一般的には右側にある関数に作用します。

数式

ここで、先程数式を求めた式を思い出します。ただし、様子が少し違います。

数式

でしたが、今度は、この式全体の転置共役をとったものが必要になってきます。

数式

関数の順番も転置しています。
この式を用いますと、

数式

数式の期待値が現れる確率は数式となります。
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