図説に関する簡単な解説
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2−3. 半導体と金属の電気抵抗の温度依存性
― 金属と半導体の違いとは? ―
 

 半導体に熱を与えると熱エネルギーによって伝導体に電子が励起され電気伝導度σは上昇する。電子の熱励起は熱活性型で表されるため
    (式1)
となる。ここでEは活性化エネルギーで真性半導体ではエネルギーギャップに相当する。kはボルツマン常数、Tは絶対温度である。(正確には電子はフェルミ粒子でありフェルミ統計に従う。フェルミ統計に関しては統計力学で学習する。(5)式はフェルミ統計の高温での近似である。)それに対して金属の電気伝導にはバンドギャップは無関係なので温度が上がると格子振動によって散乱され電気伝導度は低下する。金属では高温では電気伝導度が絶対温度Tに逆比例する。
高温     (式2)
この電気伝導度の温度依存性の違いは金属と半導体を見分ける大きな特徴の一つである。この現象を利用すれば半導体や金属を温度センサーとして使うことが出来る。半導体の電気抵抗の温度依存性を利用したセンサーにはサーミスタがあり金属の電気抵抗の温度依存性を利用したセンサーには白金抵抗温度計がある。

 しかしながら正確な温度の測定には普通は熱電対が用いられる。熱電対とは2種類の異なる金属を接触させた物である。金属は温度勾配があると電位差を持つ性質がある。これをゼーベック効果という。ゼーベック係数の異なる2種類の金属を接触させればその金属間には電位差が生じこれを熱起電力という。熱起電力を理科年表等で知ることが出来れば温度測定を行うことが出来る。

金属と半導体の大きな違いは導電率の温度依存性でありそれはバンド構造に由来する


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