半導体を能動素子(デバイス)として利用するときにはp型とn型の半導体の接合が基本となる。それを示したのが図2−4−1である。電子及び正孔の濃度がp型とn型で異なるため、拡散によってn層の電子はp層へ、p層のホールはn層へ流れ込む。その結果接合面の付近では電子とホールは結合して消滅しキャリアが存在しない領域が生じる。これを空乏層と呼ぶ。空乏層が形成されるとそれ以上は電子も正孔も動けなくなり最終的な平衡状態としてポテンシャル障壁が生じ、フェルミレベルは一致する。このポテンシャルを絵で描いたものが図2−4−1である。これを先ほどの水の話にたとえると次のようになる。フェルミレベルは水面であるから二つの物質を接触させると水面が一致するように水が流れる。水と大きく違うのは空乏層の形成だけである。
さてそれではp型の外側端子に+、n型の外側端子に−の電圧をかけてみよう。このときには接合面の拡散電位差を低くし空乏層幅を狭くする。(図2−4−2a)従って電流が流れる。これを順方向動作と呼ぶ。逆にpが他の外側端子に−、n型の外側端子に+の電圧をかけてみる。(図2−4−2b)このとき外部電圧のほとんどが接合の境界面にかかり空乏層は広がって電流は流れにくくなる。これを逆方向動作という。
すなわちpn接合された半導体の電流−電圧特性を測定すると図2−3−2aの様になる。
これはオームの法則とは全く異なった電流電圧特性であり、一方には電流が多く流れ他方にはほとんど電流が流れないことが分かる。これを整流作用という。電子回路はこのような非線形なI−V特性を利用している。(非線形とは比例関係にない関係のことを言う)pn接合ダイオードの順方向のI−V特性は
(式3)
と表すことができる。ここでJは電流、Vは電圧、J0 は定数である。また q は電荷 k はボルツマン定数 T は絶対温度である。ここも説明は難しかったと思うが重要なことを整理すると次のようになる。
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