発光ダイオードは図2−8−1の様にpn接合に順方向のバイアスを加えて動作させる。このときn層の正孔とp層の電子は平衡状態よりも増加する。この増加した正孔と電子は平衡状態に戻ろうとし空乏層で図2−8−1の様に再結合し発光する。従って発光の光子エネルギー(発光波長)はバンドギャップにほぼ等しい。発光ダイオードの発光波長(色)を変化させるためにはバンドギャップの異なる半導体を用いればよい。 逆にpn接合の空乏層に光が当たると図2−8−1bのように電子正孔対が生成される。空乏層中に生じている電界のため電子はn層に正孔はp層に移動しようとする。このためp層には+の電荷がn層には−の電荷が生じる。すなわちp層とn層の間に電圧が生じる。これを光起電力という。この光起電力を利用したのが太陽電池である。また光センサーもこの原理で作成することが出来る。 発光ダイオードは電子という量子を光子という量子に変換し太陽電池は光子という量子を電子という量子に変換している。両者とも古典的な熱過程を介在しないために効率が高い。 前述の光電気伝導はpn接合を必要とせず起電力はないのに対しpn接合を利用すると起電力が起きることに注意せよ。 発光ダイオードは図2−8−1aの様に順方向のバイアスで電子が注入され発光するため逆方向では発光しない。これに対して太陽電池で光によって発生した電子は図2−8−1bに示したように順方向とは逆に動いていることに注意して欲しい。従って光電流はpn接合の順方向電流とは逆にながれる。
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