半導体に関する学生実験
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3−5. 太陽電池
 

実験の目的

 太陽電池は前述のようにPN接合型ダイオードである。太陽電池の電流電圧特性を調べダイオード特性があることを確かめる。光を当てたときにこのダイオード特性がどのように変化するかをしらべ太陽電池の原理と特性を理解する。さらに太陽電池の有効な利用法を考える。光導電セルと同様に内部光電効果を利用しているがダイオードであるために発電作用がある。太陽電池を有効利用するために整合を取ると言うことを理解する必用がある。また太陽電池は光センサーとも言える。光電流と光起電力を考えることはセンサーとして利用する際の基本となる。


実験
  • 一つの基板に太陽電池は2つついているがそのうちの一つを使い、図2−9−1のように測定回路をくむ。光源とセルの距離は約100mmとする。
  • 太陽電池に入る光を遮断して−3Vから+3Vの間でI−V特性を求め、pn接合型ダイオードと同様な特性であることを確認する。
  • 光源のスライダックを30Vに設定し光を当て同様にI−V特性を測定する。
  • NDフィルターを用いて光量を 5, 10, 25, 50%とし同様にI−V特性を測定する。
  • 図2−9−2のように負荷抵抗を挿入し回路を組み直す
  • 抵抗を変化させた時の電流と電圧を測定し、I−V特性を求める。
  • 光源の強度(mW/cm2)を太陽電池と同じ位置にパワーメーターを置き測定する。また太陽電池の面積を測定する。これらから太陽電池に入射する光強度を求める。
  • 図3−5−2aように太陽電池を二個並列に図3−5−2bのように直列にくみ抵抗を変化させてI−V特性を求める。

図3−5−1


図3−5−2a

図3−5−2b

一般的注意事項


レポートに書くべきこと
  1. 暗状態でのI−V特性のグラフ。
  2. 太陽電池の赤のケーブルと黒のケーブルのどちらがpでどちらがnか。
  3. 入射光量を変化させた時のI−V特性のグラフ。なぜ光を当てると負の電流が流れるのかの理由。 関連リンク : 1-16
  4. 外部から電圧をかけずに負荷抵抗を変化させたときのI−V特性のグラフ。このグラフが入射光量を変化させた時のI−V特性のグラフと一致することを確認する。
  5. 付加抵抗の値と太陽電池の出力(W)の関係のグラフ。またこれから求めた整合抵抗。このグラフは方眼紙に書くべきか片対数グラフに書くべきか「3-C:グラフの書き方」をよく読んで考える。 関連リンク : 1-17 , 2-9
  6. 入射光量を変化させた時の抵抗の値(V/I)と出力の関係のグラフとこれから求めた整合抵抗。実際に抵抗は測定していないが V/Iを求めれば抵抗を測定したことに相当する。
  7. それぞれの光の強度に対してのIsc、Voc、Vm、Im、整合抵抗、効率の値を表にする。
  8. 光の強度に対してのIsc、Voc、整合抵抗をグラフにする。なぜの強度に対してのIsc はほぼ比例するがVoc 比例しないのか。 関連リンク : 1-15 , 1-16 , 2-9
  9. 直列にしたときと並列にしたときのIsc、Voc、Vm、Im、整合抵抗、効率の値とその理由
  10. 光導電セルとの構造と特性の違い

レポートの書き方
グラフの書き方


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