社会調査工房オンライン-社会調査の方法
←→
1-1 質問紙調査の企画・設計
1-1-3 質問紙調査の企画


グループワークで調査テーマを決める
  • まず、自分で問題を発見する。最終的には社会・文化に関する問題に結びつけたいが、出発点は個人的な疑問からでよい。
  • 次に、個々人の疑問や関心、問題意識を出し合って、皆で「テーマ」を決める。
例:
「最近、先輩が就職活動で忙しいっていってた。」
「友達が資格の勉強を始めたらしい、将来のためだって。」
「自分もいつかは考えないと…、と思うけど、まだよくわからない…」
「実際、不安はあるけど、みんなもまだ何も考えてないんじゃないか?」 etc.
↓
「最近の甲南大生って、将来のことどう考えてるんやろ?」
↓
【テーマ】「甲南大生の将来についての意識と実態」について調べてみよう。


このほかにも…
  • 何で僕(私)ってモテないのだろう。
    ⇒ 恋愛の成功失敗について調べてみたいなあ。
  • 一人暮らしになったら急に親のありがたみが分かったなあ。
    ⇒ 学生の生活環境と親子関係について調べてみよう。
  • キャンパスがたばこの吸い殻で汚いなあ。(ポイ捨てはどうしたらなくなるのだろう。)
    ⇒ 公衆道徳意識の形成について調べてみよう

問題(群)を決める
  • テーマに関して、具体的な問題群を整理する。
  • 問題はどこかに転がっているものではなく、自分で「作る」もの。どのような視点でテーマを見るかによって、様々な問題が作られる。
例:
「バイトしている人は、将来のことをちゃんと考えているのではないか。」
「兄や姉がいる人は、将来のことを考えているのではないか。」
「将来に不安がある人は、資格の取得に励んでいるのではないか。」 etc.

変数を作る(概念を分類・整理し、操作化する)
  • 問題を、いくつかに分解し、それぞれの意味することを規定する(概念化する)。
  • 概念を、分析可能な変数に操作化する(概念の変数化)。
    変数(variable)とは、「変化する値(数字に限らない)をとる概念」のこと。
例:
「バイトしている人は、将来のことをちゃんと考えているのではないか。」
↓
「アルバイト経験者」は、「卒業後の進路先」を考えているのではないか。(概念化)
↓
「アルバイト経験の有無」により、「卒業後の進路先の決定度」が異なるのではないか。
(変数化・操作化=実際に調査可能なレベルにする。)

「アルバイト経験の有無」(あり・なし)や、「卒業後の進路先の決定度」(決まっている・だいたい決まっている・あまり決まっていない・決まっていない)が「変数」

仮説にする(変数と変数の関係を示す)
  • 仮説:「Xの変化にともなって、Yも変化する」「Xが〜であればあるほど、Yも変化する」という形にする。
    ⇒ 一般的に、独立変数(説明変数)によって従属変数(被説明変数)を説明する。
例:
「アルバイト経験の有無により、卒業後の進路先の決定度が異なるのではないか。」
↓
「アルバイト経験の有無により、卒業後の進路先の決定度は異なる」(仮説)

←→
copyright(c)2004 Konan University All Rights Reserved.