質的データの場合、データの信頼性の確認は、統計的に処理できないだけに量的データに比べて容易ではない。そこで、あえて同じ質問を繰り返してみて、やはり同じ回答が得られるか否かを確認する方法もある。いずれにしろ、つぎのような点に留意することが重要である。たとえば、まず(1)曖昧な回答にそれなりにその根拠が理解されるかどうかを確認すること。それは不必要な曖昧さではないのかということ。(2)効率的な回答であるかを確認すること。つまり最小の情報(仮定)でデータが理解できるかどうかということ。
そして、(3)発話内容に相互一貫性があるかどうかを確認すること。他の発話内容と矛盾してはいないかどうかということ。(4)常識との一貫性があるか(発話内容が常識的知識と一致しているか)を確認すること。(5)発話の統一性はあるか(発話内容に一般と特殊のような概念的な上下関係が構造的に一貫し、統一がとれているか)どうかを確認すること。(6)説明力はあるか(多くのデータを犠牲にせずに正確に説明できるか)どうかを確認すること。(7)生産性はあるか(洞察への示唆を与えるものであるか)どうかを確認すること。
もちろん、これらは一つの確認方法に過ぎない。このほかにもデータの信頼性は、同一体験を有している(あるいは有した)被面接者に同一質問することによって面接データの確認をする方法もある。
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