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4-6 学科紹介パンフレット制作体験記
4-6-17 制作体験記:ファッション・チェック、穴場紹介


ファッション・チェック担当学生による制作体験記

突然のパンフレット作成
 とある前期のゼミの授業でのことでした。私たちのゼミは、毎週持ち回りで発表を行ういたって普通の形式だったのですが、田野先生が突然「うちのゼミで社会学科のパンフレットを作ります。再来週ぐらいからとりかかります。」と、おっしゃいました。「ん?どういうこと?」が、私の率直な感想でした。後で説明を受けて、「社会学科に入ってくるかも知れない高校生に社会学部をより近い目線で紹介する」ということだと理解しました。しかし、パンフレット制作といわれてもピンとこないまま、制作についての話合いが行われる日がやってきました。

ファッション・チェック担当に
 ゼミで、各々どういったものをパンフレットにしたら面白いかを話合いました。その空気はそれまでのゼミとは異なり、意欲的に取り組めました。なぜなら、みんなから斬新なアイディアがでてきて、その構想が広がったとき、なんともいえない高揚感が得られたからです。さながら雑誌の編集部のようでした。パンフレットの編集を話し合う場なので、編集部の様になるのは当たり前なのですが、今まで経験のない場だったので楽しかったです。
 そこで、各々の担当するページ、構想が決まりました。私が担当することになったのは、まさしく「ファッション・チェック」で、「やるならこれがやりたいな」と思っていた通りのものでした。ファッション雑誌を目にする機会が多いので、頭のなかの構想が広がりやすいのと、興味をもって取り組めると思ったからです。

構想がまとまらない!
 ファッション・チェックといっても、社会学科の紹介のための1企画。どういったものにしようか悩みました。最初に、ファッション・チェックという体裁を保ちつつ、社会学科のたくさんの人たちを乱雑に並べたものをつくろうと思ったのですが、オシャレという縛りと、たくさんの人に掲載を了承してもらうことができず、断念することにしました。次に考えたのは、オシャレな人とその人の行きつけのお店を紹介するという企画です。しかし、それは穴場紹介の担当者と意見がかみ合わなかったため、ファッション・チェックと穴場紹介は別々ににやることになり、私はファッション・チェックだけを担当することになりました。そこで最終的に私は、社会学科のスタンダードなファッションをしている男女1人ずつに取材し、「社ガール&社ボーイ」のファッションとして紹介することにしました。

取材が難しい
 パンフレットに載るというだけでも取材拒否が多かったですが、ましてや自分の写真がデカデカと載るとなると連敗続きでした。そんななかでも、男性の方は快く承諾してくれる人がいました。女性の方はなかなか承諾してくれなかったのですが、1人の女性が承諾してくれました。しかし、私の説明が甘く、うまく伝わっていませんでした。その結果、パンフレットが出来上がったときに、聞いてないと言われて苦労しました。取材の際は事前に説明を行ったうえで、取材への協力・掲載の了承をしっかり取ることが大切であると学びました。

InDesignの使い方が難しすぎる!
 取材も終わり、素材も揃ったので、パンフレットの制作にとりかかりました。しかし、私はパソコンの扱いがとても苦手で、Wordはレポート執筆のためにそれなりに使っていたのですが、Excelはほとんど使い方が分からない状態でした。そんな人間が、InDesignという全く触ったこともなければ、聞いたこともないソフトを使いこなせるわけがありません。先生に使い方を教わっても、ついていけない状態でした。しかし、このソフトを使わなければ、パンフレットが出来上がりません。必死でした。苦労の結果、使いこなすまではいかないまでも、ある程度は使えるようになったと思います。さらにいえば、少しでも使いこなそうとすることで、パソコンへの苦手意識が少しやわらぎました。このことが、自分にとってのプラスになったと思います。

何よりも楽しかった合宿
 みんなでパンフレットを完成させるために、ゼミ合宿を行いました。どこかにみんなで旅行に行くのではなく、楽しむだけのものではなかったですが、楽しかったことは事実です。パンフレット制作にみんなが真剣に打ち込み、無事完成にはいたったのですが、私が楽しかったことはその後のことです。それまであまりみんなと話す機会がなかったのですが、そのとき先生も交えてゲームをしたことによって、ゼミのメンバーと交流がもてました。普段見ることのできない先生の一面も見ることができて、とても楽しかったです。

制作を終えて
 出来上がった自分の担当ページは、それほど満足のいくものではありませんでした。しかし、ゼミのみんなで一つのものを作り終えたという達成感を得ることができました。それが、今後のゼミでいかしていけたらよいことではないかと思っています。しかし、次にこのような機会があれば、自分の納得できるものを作りたいと思います。

教員からのコメント
 作業がなかなか進まず、一時は完成が危ぶまれましたが、ゼミ合宿の仕上げでがんばったので、なんとか完成にこぎつけました。
 全体的なデザインはファッション雑誌風でいいのですが、説明の文章が質量とも不足しているように思います。

甲南・岡本の穴場担当学生による制作体験記

構想
 今回、ゼミで社会学科を紹介するパンフレットを作った。社会学科として初の試みであったのではないかと思う。甲南大学の場合、社会学部ではなく、文学部のなかに社会学科があるため、他大学の社会学部とは違い、社会をいろいろな視点から見ることができる。文学部のなかにあるから、歴史文化や人間科学など別の学科の授業を履修することができ、学べることが多い。
 そんな社会学科だからこそ、紹介すべき(したい)ことが多かった。そのなかからクローズアップすべきことを決めるのも、かなりの難題であった。ゼミで話し合いを重ね、大学入試前の高校生に興味を持ってもらえるような内容にしようということで、学問よりも「社会学科の学生がどのようなキャンパスライフを送っているのか」、「どんな先生や生徒がいるのか」など生活面について多数紹介している。

分担
 パンフレットを作るにあたって、それぞれが勝手に思いのまま作ったものを合わせてもまとまりがなく意味のないものになってしまう。だからまずは全員で誰が何をするのかを話し合った。
 ここの部分は一見簡単そうだが、パンフレットの構成にも関わる重要な部分とあって、結構長く話し合いが続いた。ボツ案として、「社会学科の詳しい説明」や「社会学科の学生多数を取り上げた写真集」などがあった。
 全員の役割が決まるまで時間を割いたが、パンフレット作り序盤ということで、メンバーの間には楽しさや期待感のようなものがあった。
 とりあえず僕ともう1人は、学生のファッション・チェックと岡本のお勧めの店などを担当することになった。

取材
 ファッション・チェックと岡本のおしゃれなお店紹介しようということになったので、まずは社会学科のおしゃれな男女に取材をして写真を撮らせてもらう必要があった。しかしここで問題が発生したのである。自分のクラス内の個人的な利用ならともかく、公的に配布するパンフレットとなると、モデルとなった学生の承諾が必要となったのである。写真を撮らせてくれる=承諾してくれたと考え、とりあえず友達から順番に取材交渉をした。ところが公の場に自分の姿が出回ることに抵抗をもつ学生が非常に多く、モデル探しの時点で苦労した。
 そのうちに学園祭シーズンに入ってきて、同じチームのメンバーが取材に参加できなくなり、私も個人的に取り組んでいることがあったため、取材が進まなくなった。他のゼミ生に遅れをとり、焦りを感じた私は、一人で岡本について取材することにし、ファッション・チェックはもう一人に任せた。

岡本南公園と夜景
 ひとくちに岡本を紹介すると言っても難しい。岡本に住んでいるわけでもないし、特別岡本に詳しいわけではない僕は、自分らしいやり方はないかと考えた。そこで考え付いたのが、岡本南公園と2号館7階から見た景色の移り変わりであった。基本的に静かな場所が好きな僕としては、いいテーマではないかと思った。
 まず、2号館からの景色については、朝10〜12時、夕方4時〜5時、夜は6時以降に時間帯を分けて、数回にわたり写真を撮りに行った。授業の後は予定が詰まっていて、夕方や夜の写真を撮るために時間を作るのが非常に難しかった。
 写真を撮ったものと実際の景色を比べて、写り方に違いがないか、建物ははっきり見えるのかなどをチェックした。また、暗くなってから写真を撮ると、屋内から撮影しているために窓に自分の姿や廊下などが反射して写ってしまい、撮影が難しかった。
 公園に関しては、大学からの帰りに公園に立ち寄って写真を撮り、詳細はインターネットで調べた。もともと花見の時期になると人がたくさん来る桜の名所だったので、公園の存在は知っていた。
 取材のなかで重視したのは、「自分らしさ」である。完成品をみた人が、僕のことを知らなくても、「たぶん落ち着いた空間が好きな人が作ったんだろうな」と想像してもらえることを意識した。

制作を終えて
 はじめはみんな楽しく作業をしていたが、時間がたつにつれイライラがつのってきた。今回は学生が作るからいいのだが、これを本格的に仕事として作るとなると厳しいんだろうなと思った。
 この作業を通してInDesignというソフトを使うことができたのは、自分のためになったと思う。もともとパソコンが非常に苦手な私にとって、このソフトを使うことが一番苦労した点であった。いまだに使い方に疑問が残っている。しかし全く知らないわけではないので、「InDesign使えます」と言えそうだ。
 私の場合、人にインタビューをするという作業よりも、1人で写真を撮ったり、調べたりすることがほとんどだったので、自分のペースで進めることができてよかった。だからといって、他のメンバーと全く関わっていないわけではなく、仕上げのために泊まり込みで作業をした際には、今まであまり話すことがなかった人とも話せた。それによって、今まではゼミ以外で会っても挨拶するだけの関係だったのが、立ち話をするようになった。これは、みんなでがんばって1つの作品を仕上げたことにより、つながりが出来つつある証拠だと思う。

教員からのコメント
 最初作ってもらったページは、文章が長過ぎて読みにくかったので、文章をかなり短くしました。デザインも一部変更しました。
 見開きで作ってもらったのですが、全体の構成との関係で、裏表紙と他のページの一部に分けて掲載することになりました。
 慣れないソフトを使うのは大変だったと思いますし、取材もなかなか苦労したようですが、1つの作品を仕上げることを経験できて、よかったと思います。

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