本文がすべて終わった後、末尾に引用文献・資料の一覧を提示してください。その際、文献リストとその他の資料リストとは別にしてください。そして、引用したものはすべて呈示してください。
しかし、使ってもいないのに「枯木も山のにぎわい」とばかりに文献リストに掲載するのは大変みっともない行為です。あくまで引用した文献・資料のみ記載してください。 表記内容
引用文献の呈示は文献の種類により若干表記が異なります。すなわち、
日本語文献 - 外国語文献( → 翻訳あり - 翻訳なし)
単一著書 - 編著の中の一章 - 雑誌論文 の組み合わせによって若干異なります。 上記の〈例〉はさまざまな場合を想定して作成していますが、必要な情報がもれなく呈示されているという点が何より肝心です。そこで何を、どのように指示すべきかという点ですが、
「著者、刊行年、タイトル(収録書籍・新聞・雑誌名)(巻号・日付)、出版社」か、
「著者、タイトル(収録書籍名)(巻号・日付)、出版社、刊行年」 の順が一般的です。ただ、翻訳の場合、欧米出版物の場合、編集著作の中の論文・一章の場合は〈例〉にあるスタイルでまとめてください。 並べ方
無造作にリスト化するのではなく、何らかの規則性をもって並べてください(そんなにたくさんはない!という方も…)。通常は3通りの方法が考えられます。
a. 「姓,名」ですべて欧文表記した場合のabc順 →〈例〉
b. 日本人の編著者のみ50音順、欧文はabc順 c. 欧文・和文とわず、刊行年順 『』と「」、そして欧文の場合
和文の場合、
文献・雑誌・新聞名などは『 』
収録されている論文・一章・記事などは「 」 でタイトルをくくります。
→井上 俊、1984、「地域の文化」(井上俊編『地域文化の社会学』…
→菅 康弘、1996、「見出されぬ〈都市〉…、『社会学史研究』… →連載「今新宿で何が起こっているか」『毎朝新聞』… 欧米の著作の場合は、文献・雑誌名はイタリックかアンダーライン、論文・一章は‘ ’(シングルコーテション)でくくります。 文献以外の資料
新聞や一般向けの雑誌については、単発的なもの、細かなものは一覧リストに載せる必要はなく、以下の例に示されているように、文中で示して頂ければ結構です。
この地区における街おこしイベントの報道は詳細になされているが(『毎朝新聞』、2002.3.15、朝刊22面)、このイベントに対する巨額の出費についての地域住民の意見はいまだ多様である。また、町の財政からの援助についてもその疑惑が取り沙汰されている(『文藝夏冬』2002年9月号、114頁)。ただ、卒論内容と深く関係する特集や連載、タイトル付の長い記事は、文献リストとは別に一行空けて、最後に【その他】としてリストにまとめてください。 文庫版などの取り扱い
多くの文庫はかつて単行本であったものが文庫化されたものです(まれに書き下ろしの文庫がある)。この場合は、最初か最後のあたりに「本書は○○年××社から刊行された」と書いてありますので、もともとの刊行年・出版社を併記しておくことをお忘れなく。そして文献リストでは、「本稿では文庫版を参照」との旨を書いておいてください。以下の例は、文庫化されたときタイトルも一部変更になった書籍の場合です。
ホームページからの引用表記
ホームページからの引用は大変お手軽で安直にできるため最近急増中ですが、引用および一覧リストには、アドレスばかりでなく、ホームページ名(名前で内容がよくわからない場合は簡単な概要も)・最終更新日(記載がなければアクセスした年月日)を必ず明記してください。なお、アクセス日か最終更新日かは明記しておいてください。
ホームページ引用の注意点
実習のレポートで時折見かけますが、意味もなくホームページを印刷して枚数を稼ぐ、単にホームページの印刷が添付してあるだけ…といったレポートはサイアクです。
でも世の中を見渡せば、ホームページを情報入手の手段として賞揚する意見は多々耳にします。しかし、われわれの業界で発表される論文の引用リストにはまだそうたくさんは見ることがありません。どうしてでしょうか? おそらくは、一部のHPを除き、掲載された数値や統計、生の語りなどが参照の対象になっても、それ自体が発表の場として成熟していない自己満足的なものが多いということや、展開されている意見・論点に稚拙なものが多いということではないでしょうか7。 したがって、現状ではホームページは「単なる情報入手手段にすぎない」ということ、加工・分析するのはあくまで自分の責任においてであることを銘記しておいてください。ですから「HPにはそう書いてあった」からという態度ではなく、「〜という考えや感想を述べる者もいる」という程度にとどめ、批判的に引用してください。 ただ、いくら単なる情報入手先とはいっても、何らかの情報を得たなら必ず明記することは、著作権の問題という以上に、人間としての信義が問われるものであることは忘れないで下さい。
7 もちろんそのまま一冊の本になってもいいようなHPが存在するのも事実です。
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