modern asian economy
1-2. アジア諸国の為替制度
担当:甲南大学 高龍秀<コ・ヨンス>
通貨危機の原因の一つとして、アジアの為替制度の問題が指摘されます。
■為替制度には大きく二つの制度があります。
(1) |
固定相場制度
・例えば1971年以前の日本のように、1$=360円と固定された制度。
・香港のドル・ペッグ制度は、これとほぼ同じもので、1$=7.8HKドルと現在まで固定されています。 |
(2) |
変動相場制度=フロート制度
・現在の先進国の制度で、日々刻々、為替レートが変動します。 |
■1997.7以前のタイ・バーツの為替制度:
通貨バスケット制度
⇒ |
しかし、バスケットにおいて米ドルが80%の比率で、「実質的にドルに連動している」
1$=25バーツ台からほとんど変動してきませんでした。
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■1997.12以前の韓国の為替制度:
管理変動相場制度
・1日の変動制限幅を超えて変動できない。
・この変動幅が小さいほど、為替レートは変動せず、固定相場制度に近いものになります。
・インドネシアも「管理フロート制度」でした。
⇒ | このように、危機に陥った、タイ、インドネシア、韓国では、「実質的にドルに連動している」為替制度でした。 |
このようなアジア諸国で、1997年後半から、<図2>のように、通貨の暴落が起こりました。それは、この為替制度とどう関連しているのでしょうか。
<図2>アジア危機国・ロシア・ブラジルの為替レート
(1997年初=100 2000年1月まで)