調査テーマを決める 〜「!」や「?」を探る〜
テーマは自分で探し、作るもの
以上の点を理解したら、ここからは実際に観察法を行っていこう。まず、その第一歩となるのがテーマの設定です。課題や仕事として調査を行うことを除いては、調査研究のテーマ設定は、調査者の問題意識に基づくことが一般的。ゼミ論でも、卒論でも、テーマは自分で探し、作り出すものです。
例えば、いつもバイトで通う街が、何か“面白い”とか“いいなぁ”と思わせるものを漂わせていたと感じたとします。そうした感覚のありか、こうした街の魅力を知りたい、明らかにしたいと思えば、それもテーマ設定の第一歩だといえます。この場合、そこに含まれる様々な要素(人、建物、立地など)をあげていけば、調査の対象も具体的になってくるでしょう。もちろん、本や雑誌、友達や家族との会話の中に「!」「?」がよぎることがあれば、それが糸口です。横着せずに、半歩その問題に立ち入ってみましょう。
「!」や「?」から調査目的へ
次に、そうしたテーマにどのように迫ればいいかを考えます。もし、「○○という街は、よく××が魅力だと言われるけど本当だろうか?」「私は、そうではなく△△こそが魅力だと思う、なぜなら…」と考えが進むのであれば、それらを検証する仮説検証型の調査を行うことにつながるでしょう。逆に、「まだこの街の魅力については広く知られていない」「様々な角度、これまで気がつかなかった視点から、この街の魅力を浮き彫りにして見たい」と思うのであれば、問題発見型の調査を行うことになるでしょう。
ここで大事なのは、どちらの目的で調査を行うか決めることではなく、上のように考えていくことで、はじめはおぼろげだった関心を、調査目的へと明確にしていくことです。
- 仮説検証型の場合の例:
「岡本の街の魅力は、断然おしゃれなところだと思う!」(問題意識)
⇒「岡本の街のおしゃれ度を検証する」(調査の目的)
⇒“おしゃれ度”を何から計るか、他の街との比較はどうするか…(調査企画)
- 問題発見型の場合の例:
「おしゃれとか言われるけど、岡本の街の魅力は他にもあるはずだ!」(問題意識)
⇒「“おしゃれな街岡本”のもうひとつの魅力を明らかにする」(調査の目的)
⇒“おしゃれ”の他にどんな項目があるかをリストアップする…(調査企画)
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「タウンウォッチング」を念頭において、次のことを考えてみよう。 |
・場所: | どの街について観察しようか? |
・背景: | なぜその街を選んだのだろうか?何が分かる?何が知りたい? |
・目的: | 仮説検証を志向するか、問題発見を志向するか? |
・項目: | 街のどのようなところに着目すればいいだろうか? |
・方法: | それを記録するにはどうしたらいいだろうか? |
このパートの2回目の課題「タウンウォッチング・レポート」につながります。岡本や摂津本山だけでなく、自分の住む街、バイトで行く街、思い出の街、記憶に残っている街、好きな街、嫌いな街など、対象とする街はどこでも構いません。「街」を調査のフィールドとし、街の中の何(どこ)に注目すれば、何がわかるのかについて(あるいは、明らかにしたいことを調べるには、街のどこに注目すればいいのかを)考えましょう。 |
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