写真やプリクラなども内容分析のマテリアルとなります。写真やプリクラはフレームを除けば、人物を中心とした原則として文字を含まない図像のみの情報です。これをアイコンと呼びます。文字ではないのにも拘わらず、アイコンは実に様々な情報を含んでいます。
風景写真や人物以外の写真もマテリアルとなりえますが、ここでは人物写真や人物が写されたプリクラを考えてみましょう。図像すなわちアイコンとしての写真やプリクラは、その中に多くの情報を含んでいます。第一に、被写体の人数や撮影された日時など物理的情報、第二に、撮影された場所という地理的情報、第三に、彼女/彼らの年齢、性別、職業、被写体が複数であればその関係などや、どのような行事や機会に撮影したのかといった社会的情報、第四に、化粧服装やしぐさといった行動文化に係わる情報などが含まれます。具体的には、2014年の元旦に20歳の自分と19歳の妹が新年会の帰りに神戸市中央区のゲームセンターで晴れ着で大笑いしながら撮ったプリクラ、といった具合です。
写真やプリクラに含まれる情報は、撮影者や被写体となった人からのヒアリングが必要となります。自分が撮ったものであれば写真やプリクラが含む物理的情報はもちろんのこと、地理的情報や社会的情報は自明ですが、内容分析のマテリアルとなるものは、多くの場合、第三者のものでしょう。その意味では面接法でのインフォーマントへのインタビューに似た、撮影者や被写体となった人からの聞き取り作業がどうしても必要となります。
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