分析媒体と呼ばれることもある内容分析に用いるマテリアルの多くは、アンケート法の調査相手であるレスポンデントと同様に母集団が確定しやすい集合です。雑誌や新聞の場合が最もそれに当てはまる事例であり、創刊号から最新号までの全ての誌面もしくは紙面が母集団になります。テレビジョンやラジオのような文字媒体ではないマテリアルも、多くの場合は、放送時間帯が定まっていますから、始まりと終わりの年月日時分を定めればそれが母集団となります。
新聞や雑誌は、先ず、年単位で一纏まり(まとまり gathering)になっています。それを巻(かん volume)と呼んでいます。新聞の場合は、日刊紙(daily)であれば毎日発行されていますから、1月1日号から12月31日号まで1年で計356号存在することになります。夕刊を含めればその2倍です。週刊誌(weekly)の場合は、1年は52週プラス1日ですから形式的には計52号ありえますが、年末年始やゴールデンウィークに合併号となることが多いので、実質的には50号前後に減ります。月刊誌(monthly)は計12号、隔月誌(bimonthly)は奇数月号もしくは偶数月号で計6号、季刊誌(quarterly)は春夏秋冬で計4号が一纏まりになります。定期号の他に、号外や別冊、臨時増刊が発行されることもありますから、注意が必要です。
地上波のみならずケーブルテレビなども含むテレビジョンやラジオも、新聞や雑誌と同じ考え方で、月曜から金曜まで毎日放送されている番組、毎週放送されている番組、10回連続ドラマなどが一纏まりになります。
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