マテリアル(分析媒体)は、現在、あなたの手元にあるのでしょうか。それとも、図書館や放送番組のアーカイブセンターなどに所蔵されているのでしょうか。あるいは、商用データベースを利用することもあるかもしれませんね。ドラマや映画のDVDを新たに購入したり、レンタルすることも必要になるかもしれません。マテリアルの所在によって内容分析の設計は大きく変わってきます。
あなたの自宅などいつでも利用できる場所にマテリアルがあれば、これは理想的な状態です。時間に拘束されることなく、自由にコーディング作業や変数構築が可能だからです。たとえば、卒業論文でファッション誌を扱う予定があるのならば、できれば、2年生あるいは3年生の頃から定期購読しておくことをお勧めします。カジュアル系、赤文字系、青文字系の代表誌『non-no』『ViVi』『mer』などが、2年間、24ヶ月分も手元にあれば、表紙や記事の計量的把握、広告の出現頻度など自由自在に内容分析が施せます。紙媒体の月刊誌や週刊誌など雑誌は、いわば生ものですから、刊行された時に入手しておくのが最も良い方法です。
新聞については、全国紙の縮刷版など大学図書館に所蔵されているマテリアルであれば、少なくとも金銭的負担は発生しません。広く普及している雑誌であれば公立図書館や国立国会図書館関西館がバックナンバーを所蔵していますから各機関のOPACで検索してみましょう。日本放送協会の過去のテレビ番組については、全てではありませんが、NHKアーカイブにて公開されているものもあります。http://www.nhk.or.jp/archives/ 動画サイトの利用は、サンプリングや代表性の問題を含みますが、テレビコマーシャルなどについては限定的に利用可能でしょう。しかしながら、テレビ放送やラジオ放送の番組については、当該番組の放送時にハードディスクなどに録画、録音しておくのが現実的な方法です。
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