社会調査工房オンライン-社会調査の方法
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3-0 はじめに 〜ようこそ観察法の世界〜
3-0-2 観察法の道具箱

 ここでは、観察法を行うにあたって参考となる文献や資料などを整理しておきます。

参考文献
 観察法のテキストは多くありませんが、社会調査全般についての文献はとてもたくさんあります。そのうち、観察法についても触れられているものとしては以下のような文献があります。下記は学生にもわかりやすくオススメです。このパートでも参考にしています。
  • 大谷・木下・後藤・小松・永野, 1999『社会調査へのアプローチ』ミネルヴァ書房.
  • 中道實, 1997『社会調査方法論』恒星社厚生閣.
 フィールドワーク、とりわけ参与観察法については下記のものが読みやすく、わかりやすいでしょう。
  • 佐藤郁哉, 2002『フィールドワークの技法:問を育てる、仮説をきたえる』新曜社.
 参与観察、非参与観察を用いた優れた先行研究から学ぶことは何よりも大事です。内外の著名なもの、趣の異なるものをあげてみましょう。
  • Whyte, William Foote, 1993[1943], Street Corner Society 4th ed, University of Chicago Press(=2000,奥田・有里訳『ストリート・コーナー・ソサエティ』有斐閣).
  • 今和次郎, 1987『考現学入門』ちくま文庫.
  • 佐藤郁哉, 1984『暴走族のエスノグラフィー:モードの叛乱と文化の呪縛』新曜社.
  • 田村紀雄, 2000『電話帳の社会史』NTT出版.
  • 電通総研編, 1993『私の好きなモノ:世界の若者「7ヵ国66人」が生活場面を写す』電通.
 このパートでは、実習でタウンウォッチングを行います。タウンウォッチングの面白さがわかるもので、皆さんが読みやすい事例を扱ったものがあります。
  • 赤瀬川原平, 2002『路上の神々』佼成出版社.
  • 多田道太郎・河内厚郎・毎日新聞未来探検隊, 1993『阪神観:「間」の文化快楽』東方出版.
  • 裏京都研究会, 1996『京都ディープ観光』翔泳社.
 もうひとつあげておきます。下記は子ども向けの「絵本」ですが、立派なタウンウォッチングの教科書だと思います。
  • 岡本信也・岡本靖子(文・絵)・伊藤英男(絵), 2000『町のけんきゅう:世界一の研究者になるために』福音館書店.
 インターネットは観察法の事例と素材の宝庫です。下記のサイトは写真で行う東京のタウンウォッチングを継続的に行っているサイトです。この他にも、個人が開設するサイトの中にも、様々な対象を観察しているものがあります。例えば「路上観察学」というキーワードで検索してみると…。
道具と機材
 観察法に必要なのは、好奇心と問題意識、そして調査を実行する意思です。とはいっても、実際には様々な道具や機材が必要となるケースが多いでしょう。調査報告の執筆時にはパソコンとソフトウェアを使うのが当たり前の時代ですが、記録の際にも、記録する内容により、適切な記録メディアが必要となります(3-3-2:記録のしかた)。
  • カメラ
    フィルムカメラ、レンズつきフィルム、デジタルカメラ、携帯電話内臓カメラ、など。(3-1-3:観察法とカメラ
  • 録音機
    カセットレコーダー、ICレコーダー、デジタルオーディオ機器、など。
  • ビデオカメラ
    デジタルビデオカメラが主流でしょうが、最近ではデジタルカメラや携帯でも動画を撮ることができるものが増えています。
  • スキャナ
    収集した資料を整理する際に便利です。
  • 各種ソフトウェア
    レポートの執筆などの文章を書く際にはテキストエディタやMS-Word、プレゼンテーションにはMS-PowerPointをよく利用します。また、データの集積やその作表、グラフの作成はMS-Excel、画像の編集にはAdobe PhotoShop、動画の編集にはAdobe Premierがポピュラーです。いずれも、無理に高度なものを使おうとせず、自分の使いやすいものを選びましょう。

社会調査工房を利用しましょう社会調査工房について
 甲南大学文学部社会学科にある「社会調査工房」は、上記の必要な機材をはじめ、各種ソフトウェアを利用でき大変便利です。特に、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ICレコーダーは貸し出し可能ですから、調査の際にはぜひ一度訪れてみてください。


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