5-2-5 雑多な疑問を言葉にする
いろいろな疑問
A.グローブは最貧困区?
B.グローブ・ネイバーフッド・センターは民間非営利団体?地方自治体、他の民間組織との関係 C.グローブ・ネイバーフッド・センターは歴史に無関心?
D.グローブ区の消滅?
もう1つ腑に落ちないのは、グローブ区についてである。グローブ・ネイバーフッド・センターのグローブとは区(Ward)の名称であり、グローブ区のコミュニティ・センターである。運営委員も(旧)グローブ内から選出されることになっている。ところがハマースミス&フラム自治区内の区画は、2002年5月に23から16に大きく改変された。旧グローブ区は、レイヴンズコート・パーク区(Ravenscourt Park Ward、2001年現在人口10,791人)とハマースミス・ブロードウェイ区(Hammersmith Broadway Ward、11,560人)に二分された。グローブ区を対象として始まったグローブ・ネイバーフッド・センターの基盤となるはずのグローブの名称も実態も消滅したことになる。ところがGNCの関係者がとくにそれを大きな問題として受け取っている様子はない。よく調べてみると、グローブ・ネイバーフッド・センターが活動範囲として設定しているグローブとは、1973年にセンターが設立された時点でのグローブ区の範囲である。私が地図を片手に歩いたのは2002年5月までのグローブ区の境界であり、グローブ・ネイバーフッド・センターが活動対象として設定しているグローブはこれよりも一回り広い範囲である。そもそも区(Ward)とはどのような行政単位なのか。住民にとってグローブ区という単位は意味があるのだろうか。グローブ・ネイバーフッド・カウンシルの規程の記しているようなコミュニティ精神(Community Spirit)を育むには、区は人口規模が大きすぎるのではないか。 |